あと少しで、子ども虐待をテーマにした連載マンガ用の原作の執筆が、書き終わりそうだ。
もっとも、この「あと少し」が曲者なのだ。
はやる気持ちがページを埋められない。
しかも、終わりまで書き上がっても、今度は編集者として原作の全部を見直し、加筆が必要な個所には加筆し、不要なシーンは取り除き、セリフの1個1個を吟味するので、下手すると5月いっぱいはかかってしまうかもしれない。
子ども虐待のマンガはこれまでも作られてきたが、ほとんどが3巻で終わっている。
せめて5巻以上の読みごたえのあるものに仕上げようとすれば、情報量の多いものになってしまい、そうした情報を効果的かつ自然な形で引用するには、事実をベースにした原作である以上、かなり強引な展開をせざるを得ない。
まったくのフィクションなら都合の良い展開もしやすいが、現実に虐待されている子どものリアルをなまじ知っている身としては、本当に救いのない話をどう興味を持って読んでもらえるかを考え抜かなければならない。
それでも、いつかはこの執筆も終えなければ、貯金が底をついてしまう。
連載が始まらないうちは1円の収入にもならず、生活費を切り詰めても限界だ。
朝日新聞SDGs ACTION!の連載も、終わってしまったので、本当に無収入になってしまった。
老後の蓄えなどない僕としては、執筆を急ぐ気持ちを抑えながら、慎重に書く作業がなかなかしんどいのだ。
目を酷使しているのも、かなりきつい。
しかし、この執筆は、日本にある「子ども差別」との戦いなので、やり遂げなきゃいけない。
ほとんどの大人が子どもの人権について考えない今、孤軍奮闘でも最後まで書き上げようと思う。