毎日、とにかくマンガ原作を書いている。
書き出しで何度もとん挫しながらも、終わりまでの物語が見えてきた。
そんな折、芦原さんの訃報が目に入った。
『セクシー田中さん』のドラマを見ていた矢先だったから、マンガを描く孤独な作業が理解されない苦しみの片りんはわかる。
生きている者としては、表現したいものをブレずに伝えていくことにこだわって、表現者としての魂を継いでいくしかない。
虚構を描くことは、魂のノンフィクションを作ることだ。
現実を描くことの難しさとは異なり、作者の自由度が大きいからこそ、さまざまな配慮や忖度をしていく作業中に、魂の部分でブレてしまうと、作品はそこで止まってしまう。
単なる商品として割り切れるなら、苦労はしないのだ。
常に、「自分は何を伝えたいのか」をはっきりと自覚し、自分自身に表現を問い続けていくしかない。
自分に率直であることと、読者満足度を高めることは、決して矛盾しないはずだ。
そう信じたい。